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2018.06.15

【レポート】FUJIFILM GFX 50Sを使い込んでみた

Category:NewsTecColumn

富士フィルム様より、中判ミラーレスデジタルカメラ「GFX 50S」を一ヶ月お借りできることになった。しかも、45、63、110ミリと豪華単玉3本付き。本機のカッコイイ写真はFUJIFILM公式サイトにお任せするとして、645Dを使い倒してきた身としてのレビューです。

ここ三年くらいずっとメインが645Dなので、どうしても比較してしまいがちですが、GFXを気になっている方も多いはずというわけで、つらつら備忘録的に綴っていこうかなと思います。

■高級感ぎっしりのボディ

今回お借りしたレンズ。

  • GF45mmF2.8 R WR
  • GF63mmF2.8 R WR
  • GF110mmF2 R LM WR

並べてみると110ミリだけ異様にでかい、まさに威風堂々。デジタルFuji製品は初代X100以来なのだけど、GFXはさすが中判ミラーレスというだけあって至る所に高級感が散りばめられている。中でも一番驚いたのがホットシューカバー。本体と同じような塗装がされていたばかりに、EVFファインダーを取り付けようとした際にどこを外していいのかしばらく迷ってしまった。今まで見たホットシューカバーの中でダントツに手が込んでいる。この部品だけで1万ですと言われても、何にも疑わないくらいの質感だ。

こういうカニ爪ストラップも最近はあまり見かけなくなった。思えばカニ爪のついたカメラなんてマミヤRZか、ローライ以来だもんなぁ、思わずニヤついてしまった。カメラなんて使っている時は細部なんて気にもならないけど、こういう細かい所が全体までちゃんと撮り手のことを考えているのだなと安心できる。

■触ってみて

ミラーレス機をそんなに使ったことがなかったのだが、感覚的には645Dと似ていて非常に握りやすくしっかりしている。もしかしたらちょっと手の小さい女性には大きいかなとも思うが、私には非常にフィットしていて持ちやすい。これは賛否分かれるところかもしれないが、アサヒカメラ11月号で述べた通りあまり軽いカメラが苦手な私が懸念していた重量も、もちろん645Dよりは軽いものの、そこそこの重量感があってこれぞカメラ!という主張もいい。

ちょっと説明書を見ないと操作が分からない点もあったが、ISOダイヤルのストッパーは新しいタイプで使い勝手が良い。個人的には再生ボタンの位置が押しづらいかなと思ったが、これは慣れの問題か。後継機でボタン配置の改善がされるといいな。

背面モニタがタッチ操作に対応しているために間違えて押してしまうことが度々あった。タッチ操作は動画以外は使わなそうなのでこれはオフにしといた方がいいかもしれない。AFも早いけど、DPMerillでもAFが遅いと思ったことがないので、この点は他のレビューを参考にした方がいいかもしれません・・・。バリアングルは便利だけど、結構腰にぶら下げていると引っかかってしまうことがあって個人的にはロックをきつくするか、いっそのこと無くてもいいのではと思った。

いつも使っている645Dの標準装備は67タクマーの105/2.4なので、110ミリを付けたGFXと並べてみた。フードを除くと全長はほぼ同じ。重心の影響もあるのだろうけど、この組み合わせだとGFXは結構持ち歩くのが辛い。一時間ずっと持っていると手が痺れる、筋トレでカバーする必要ありか!?

■EVFはどうなのか?

絶対OVFじゃなきゃと思っていたが、食わず嫌いだったようで慣れれば便利なものだ。「映像を覗いている」という感覚というのもすぐに無くなった。今645Dを覗けばやっぱクリアだなぁと思うけど、根本的に別物なので撮影に関して言えば至極スムーズ。MF撮影もしてみたが非常にやりやすい。ここらはフジが得意とするところならでは、という感じだ。ただ645Dと比較すると電池はEVFのせいか、結構減りが早い。まぁOVFのGFXとマニュアルレンズ付きの645Dと比較するのも酷というものか。

■撮ってみた

レタッチは最低限でノイズリダクションなどはしてません。

all lens GF110mmF2 R LM WR

■公式サイト■

ライター

新納 翔

新納 翔

1982年横浜生まれ。 麻布学園卒、早稲田大学理工学部にて宇宙物理学専攻するも奈良原一高氏の作品に衝撃を受け、5年次中退、そのまま写真の道を志す。2009年より中藤毅彦氏が代表をつとめる新宿四ツ谷の自主ギャラリー「ニエプス」でメンバーとして2年間活動。以後、川崎市市民ミュージアムで講師を務めるなどしながら、消えゆく都市をテーマに東京を拠点として撮影を続け現在に至る。新潮社にて写真都市論の連載「東京デストロイ・マッピング」を持つなど、執筆活動も精力的に行なっている。写真集『PEELING CITY』を2017年ふげん社より刊行。

http://nerorism.rojo.jp/

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